老後2000万円

反証

判決までの間、まだ暫く時間がある事から、
当面は重箱の隅をつつくような細かいネタで進めてゆきたいと思います。
(初期のネタと被る事がありますが、見立てを加えて書いてゆきたいと考えています。)

彼氏の様な存在が居て、就職活動を行おうとしていた普通の女子大生。
就職もしたことのない彼女は、大学生生活を送る中で、就職活動から始まり、彼氏との結婚や将来について、漠然とした思いはあったかも知れません。
しかし、それは暗澹たる思いの中にある漠然とした気持ちを持っていたとは到底思えません。

その彼女の口から信じられない言葉が出てきました。
「当時はお金が欲しかったのでやめられなかった。」
「老後に2000万円が必要だと聞き、将来への不安がありました。」
おかしいな?
まず、2000万円の数字がどんなものなのか?投資に興味ある人間なら、間違いなく調べます。

金融庁の報告書が2019年6月でしたから、時系列的には問題ありません。
そこは頑張ったね…〇〇人さん。
だけどね、その後どうなったか覚えていますか?

当時はその2000万円と云う数字が一人歩きしていた様に思いますが、一年も経たないうちに、証券会社や銀行のなどから、更には個人のブログなどでも、「老後2000万円問題」というタイトルのみがキーワードとして捉えられ、「それは違うんだよ」状態だったんですね。
つまり、当時の2000万円問題とは、老後のお金の問題なので、それは「減少する退職金」「年金に対する不安」「平均寿命の長期化」という実務的な内容に置き換わっていった訳です。

「2000万円」ざっくりと云えば、平均値。
最近はみんなも賢くなって「平均値」でなく「中央値」を気にする様になってきたけど、この辺りの問題が「中央値の気づき」と云うターニングポイントになっていたのかも知れません。

サラリーマンはこのワードが気になっても、独立とかしない限り、自分からどうする事も出来ない数字なんですね。
興味があるとすれば、勢い投資方向に傾いて行きます。
※投資に興味を持たせるため、証言会社などが良くそれを取り上げる訳です。
で、投資の為に調べれば「全然2000万円じゃなかった」と云う事になるのですね。

投資に興味を持っていた彼女であれば、また、大学を卒業してからの未来が待っている彼女であれば、「老後」の漠然とした不安は、どう見積もっても「考えにくい」話題です。

漠然とした遠い将来の不安をその年代で語るとしたら、結婚できるかな?とか、良い就職先が見つかるかな?とかです。
お金に関わる事であっても、将来どれぐらい稼げるのかな?まででしょう。

逮捕時に就職していたから、そこに引っ張られたのかも知れませんが、容疑が疑われていたのは、20歳の大学生の頃の事です。
若者って一部を除いて、そんなにお金を持っている訳ではありません。
お金を増やしたいと云う気持ちは、どの世代でもあると思いますが、先ずは近々の不安を取り除いてからの事になるので、就職もしていない若者が退職後の事を考える余裕は無いと思います。

なので、老後2000万円という言葉は使いません。
話のネタとしてなら使いますが、決して真顔で使う言葉では無いです。

使うとすれば、当時の時事ネタなので、言葉のみ知っていると思われる、投資などに興味のない「自営業者」さんが取り上げるワードと云えるでしょう。
もっとね、彼女の立ち位置に立ってみて、寄り添って解決してゆかないと、こんな頓珍漢な答えが出てくるのですよ。

※もし仮に彼女が考えたと云うのであれば、
 本当に考える時間すら無かった(直前に自白に方針転換)か、
 投資に興味があったと云ってしまった以上、それに絡んだ答えを出す為であって、
 実際は投資などにさほど興味が無かったと云う、どちらかになりますよね。

不正行為と知っていた事(+お金を受領した事)以外は、全て本当の事だと思うので、実際は投資にも興味はあったと個人的には思っていますよ。
ただ、老後の投資までは考慮の範疇では無かったとも思いますけどね。

ちなみに取り調べの際の供述でも「漠然とした不安」「将来への不安」というテンプレートはよく使われます。
今回は警察ではありませんでしたが、私は「あっ、此処で使ったか!」と云う印象を受けました。
ちゃんとした理由が見つからない場合によく使われるワードで、誤魔化す時の特徴と云えるでしょう。

ちなみに、「つみたてNISA」発言とペアで語られる事の多い彼女の発言ですが、
「つみたてNISA」は、今後罪を犯さない為に何をするのか?と

検察官から云われた時に出てきた変な答えなので、単なる咄嗟の言葉と捉えれば良いかと思います。

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