佐藤凜果さんは報酬を得ていたのでしょうか?
偽造と云ったリスクの高い作業であった塚本と比べてもかなり高額であり、報酬を得ていたとの供述や証言も曖昧な為、私は報酬を得ていなかったと思っています。
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「何故リスクの高い申請を佐藤凜果さんにさせたのか?」でも書きましたが、申請自体が2人で1申請という、本来であれば報酬を得るような作業では無い事が挙げられます。
それぞれ、1申請づつしていたとして、仮に1申請の報酬を1万円とした場合、60件の申請をしたことになります。
※彼女の話では数十件したとの事。また裁判では報酬は1万円以上で無いと弱いという考え方があるみたいに見えます。
ざっと考えて二人で120件。
残りの申請役2人で計80件しかしていないと云うのは、少ないと云わざるを得ません。
また、仮に算出した1申請1万円ですが、塚本の報酬と比較してもリスクの少ない申請作業と確定申告書の偽造作業が同じような額の報酬と云うのも腑に落ちません。
それも、申請作業自体は彼女のスマホで行われたものと思いますが、基本的には中峯の指導・お喋りをしながら、申請ボタンをポチっとしていたと考えられます。
※多分数字の転記等は中峯が彼女に口頭で伝えながら打ち込んでいたと推測
個々では普通に見える事でも、関連付けると何か整合性が取れなくなっている様な気がします。
勿論、それぞれが独立して個別にお願いしている事から、それぞれの単価は関係ないと云う意見もあるかと思います。
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本来自白は証拠を補強する為のものだと考えれば、今回のこの自白については、補強どころか、新たな疑念を生じさせるだけだったのでは無いかと考えられます。
それは、自白も証言も「口」で云っただけ。
その内容は不自然とも云えるほど両方とも同じように曖昧で、違う点と云えば彼女が「自分から要求した」と云う、更に自らが不利になる、金銭授受の証拠としては特に必要のない事を付け加えたのみです。
「貯蓄した」と云う絶対的な証拠を語っておきながら、通帳と云う証拠が無いと云うのが疑念の基になっているのではないかと思います。
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元々私は初公判の内容を聞いた時「不思議な事を云うなあ」と感じたものです。
発注者側の中峯からすれば、通常の報酬と考えた場合1件あたり幾らと云う計算をするはずです。
受け取る側に「欲」が無ければ、幾らでも構わないので、その数字に端数が入っていたり、中途半端な数字であったとしても気にはならないかもしれませんが、彼女は初公判で具体的な金額は伝えずに金銭の要求をしていると答えています。
受注側が要求すると云う事は、そして要求金額を伝えていないとすれば、中峯側が積算根拠を示さないとおかしいのでは無いでしょうか?
少なくとも金銭を渡すときには説明なり総額なりを伝えると思います。
勿論、法令違反を犯すようなもので無い単純な作業かつ単価の安いものを少量であれば、「ちょっとお小遣いぐらい頂戴」で済む話なんですが、それにしては額が大きすぎます。
その大きな額の数字を「渡した側」も「受け取った側」も覚えていない。
中峯の場合は月に何百万と取引している可能性もあるので、60万円ははした金かもしれません。
ただそれでも60万円です。月商数百万円程度の小さな会社でも60万円は大きな数字です。
私が答えなければならない時に「ぐらい」と付けるとすれば、面倒でどうでも良い場面などで、ちゃんと答えたくない時でしょうね。
他方、彼女の場合はどうでしょう?
60万円って学生からしたらかなりの高額です。
しかも現金を持っているのではなく、貯蓄ですから、数字が判らない事などあり得ません。
突然聞かれれば、判らない事もあるでしょう。
しかし彼女は事情聴取も受けています。
受け取っていれば、その場で否認しても、帰ったら必ず確認します。
人ってそういう生き物です。
何よりも「ぐらい」とか「判らない」とかであっても「自白」と云えるのは、私にとって不思議な事でしかありません。
いや、自白は一部で他の証拠と併せて考えれば立証出来るとかであれば良いのです。
肝心の5W1Hを問う事も無く、まあ問うても「判らない」と云う事なので、そんな足りない自白だけで証拠が成立するのが問題なのです。
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中峯の報酬が1件当たり5万円です。
そこから補助作業で1万円が彼女の懐へ入るとしたら、20%の手数料となります。
いくら彼女だからとか、気に入った女の子だから、と云う様な理由でお金を渡すとしても、その手数料は高額すぎると思うのは私だけでしょうか?
申請役の補助と云う立場で、この高額な金銭の要求など中々云える言葉ではありません。
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金銭の要求を外して考えた場合、つまり申請作業を手伝うという事だけの場合。
彼女からしてみれば最初は2人で1申請をする事に戸惑いさえあったかと思います。
私が知らない事に手を出して足手まといにならないかな?
彼一人が出来る事なら、却って邪魔にならないか?
など、普通の知り合いの男女間だとすれば、その様に気を遣うと思うのです。
中峯も本当であれば、自分のスマホで作業を行い、書類に書かれている数字を彼女に渡し、彼女に口頭で数字を伝えてもらう方がリスクも少なく良かったのでしょうけれど、それでは、会うための口実としては些か弱い。
申請作業の入力と云う実作業を彼女のスマホでしてもらう事で、「貴女が必要なんだ」と云う事をアピールしたかったのでは無いかと考えました。
念を入れて作業してもらおうと考えれば、
安いタブレットでも手に入れて、それを彼女に渡して作業して貰えば、
少なくとも彼女のスマホからは何も出てこなかったのだろう。
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