初公判の人定質問の際、住民票が三鷹のままだったことも、少し驚いたと共に「あぁ、彼女は自白する気が無かったんだな」と思いました。
お父さんの証言にも「今後は親元において監督したいと思っています」とあったように、公判前にちゃんと話し合いが出来ていれば、保釈申請との絡みもあり、公判までには住民票を移していると思われます。
この件以外でも見られる様に、全てが付焼刃的な対応の様に見えてしまうのは、やはり彼女が直前まで自白と云う選択肢を持っていなかった事の証左ではないでしょうか?
彼女が予定通り否認で戦うとしても、世間を騒がせた事や過失による謝罪と共に「親元において監督~」と云う言葉が必要ですが、それは別稿でも書いたように、冒頭陳述が終わった「約一か月後の公判」の事なので、ご両親も詳細に言葉を選ぶ余裕が充分にあると思います。
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自白を助言をした、しないに関わらず、この様な裁判を受けるのが初めての人に対しては、ちゃんとしたフォローアップが必要です。
老後2000万円なんて云う「彼氏のいる前途ある若者」が思いつかない様な稚拙なアドバイスをする時間があるのなら、60万円に関する反証を考えるべきですし、仮にお金を受け取ったとしても、「いつ」「何処で」「どの様に」受け取ったのか?を公判での戦略上からも、検察以上にしっかりと調べる必要があると思います。
いずれにせよ、弁護人が弁護人としての役割をちゃんと果たしているとは思えず、別の弁護士のホームページに書かれていた様な「刑事事件を扱った事のない」弁護士だったのでは?と勘ぐってしまう場面が度々みられることは、たった一度きりの裁判で人生を左右される彼女にとって最大の不幸となったのかも知れません。
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ただし、日本は三審制ですから、刑事事件に強い弁護士で「控訴」すると云う方法もあります。
自白してしまったので、不利な面は否めませんが、次善の策として前向きに考えた方が、このまま(可能性が非常に高い)執行猶予明けを待つよりも、先の長い将来、必ず良かったと思える日が来ると思います。
もし本当に60万円を受け取っていないとすれば、「お金を貰っていなかった」という言葉から受ける、貴女への人々の印象は大きく変わってきます。
自白の「騙した」部分についても同様です。
証拠が無くとも認められやすい部分ゆえ、完全にひっくり返すのは困難かも知れませんが、「未必の故意」であったとされれば、故意に騙そうと思ってやった事とは思えませんので、これもまた印象が変わって来ると思います。
勿論、控訴する以上、「無罪」を勝ち取る事が一番の目標ですが、拘留中も一人ぼっちで公判直前まで耐え忍び戦ってきた貴女なら、良い弁護士を選ぶ事で、良い結果が生まれると信じています。
※人定質問では住所を云わないといけないのだけれど、
流石に429号法廷(だからかどうかは判らないけど)、「記載されている住所で間違いないですね」と
個人情報を守ってくれたのは、検察と裁判所の良心かと思った。
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