初公判を聞いて、印象に残っている言葉があります。
彼女の発した「正当な経営者」という言葉です。
代理申請しただけなのに、何で貴女が経営者なの?
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佐藤凜果被告は、検察から出された証拠書類については細かく読みこんでいて、書類に書かれている通りの事であれば、ちゃんと自白できるけど、そこから少しでも外れると、時間的な準備も出来ていないので、おかしな発言が多くなる。
検察も多くを喋らせて、自白が嘘っぽくならない様に、慎重に言葉を選んでいる様だけど、お互いが昨日の今日と云うぶっつけ本番みたいな感じなので、ちょこちょことボロを出していますね。
その中でも、傍聴していた人の疑問となったのは、
「中峯からは虚偽申請でもバレなければ問題ないと言われたけど、(佐藤凜果被告)自身は正当な経営者と信じていたから虚偽申請とは思っていなかった」
と云うところでは無いでしょうか?
私も始めにその言葉を聞いた時、何云ってるのか?よく判りませんでした。
貴女が経営者?中峯とかでは無くて?
たぶん彼女が、意味不明な「正当な経営者」と表現しなければならなかったのは、
「自身が経営者と偽り、虚偽の申請をしたこと」
という一文を検察が出して来たことにより、無理に検察側の主張に合わせようと自白のトレースをしたのでは無いでしょうか?
やっていない事、知らない事でも自ら罪を被る為に、彼女はホント何処までも涙ぐましい努力をしていますね。
検察側からすれば、要するに「申請した会社の人になりすまして」って言いたいだけなのでしょうが、彼女にはそれが理解できなかった。
実際は中峯に頼まれて、スマホ(パソコン)で数字を打ち込んだだけ。
当然虚偽の申請などと思っておらず、唯々「自白しないと執行猶予がつかないぞ」と銃口を突きつけられた状態の中で、自分が経営者って?虚偽の申請って?云われても、教える人もいなければ判る訳がない。
まぁいい、検察がそういうのだから、自白に添って同じような文言、つまり「正当な経営者」だったと云っておけば間違いないだろうと考えたのだろう。
証拠書類を読んでも、自分で体験して無ければ中々理解する事は難しいし、詐欺を働いている認識すら無い人にこんな言葉を投げかけても、理解は出来ない事が現場では判らないのだろう。
検察も弱い証拠しか無い様なので、何とか彼女を有罪にしたいのであれば、もっと彼女に寄り添わないといけないだろう。
詐欺も知らない女の子に罪を着せるのであれば、専門的な用語など使わずに優しく追い込まないと駄目だと思う。
いや、唐突にこんな事を云われたら、若い子なら間違ってしまうのは当然かも知れない。
しかし、法律用語などは弁護士がフォローするだろうとお考えの諸兄、それは違う。
弁護士が何もしなかったから、此処まで立件できたのだから、
この点だけを弁護士に求めるのは酷というものだろう。
弁護士がちゃんと被告人を守るという仕事をしていれば、
これまでに反証は数多く出ていたはずだし、
起訴すら諦めざろう得ない状況になっていたと思うが、
刑事事件の素人なのか自白原理主義者なのか、
公判寸前まで否認を貫いていた彼女に自白を強要している疑いまである始末だ。
追記・初公判後から論告求刑にかけては弁護士らしい仕事をしているみたいのなので、
たぶん自白原理主義の弁護士だったのだろうと思う。
ちなみに、これは通常であれば申請した法人から許諾を得て代行申請したと考えるのが自然でしょう。
彼女がなりすます為に、そんな申告情報等を全て持ち合わせている事自体考えにくく、もしそうであれば、その書類を無断で掠め取ったという証拠も新たに必要となりますよね。
「なりすまし」をもって詐欺にあたるとしたいのでしょうが、そこまで責めないと証拠にならないのか、少しアクロバティックな感じがしています。
検察も警察が提出した証拠だけでは苦しいのか、かなり偏った考えの陳述ですね。
国も無償であれば、第三者が代わって申請する事を認めていますから。
※有償であれば詐欺罪ではなく行政書士法違反
彼女が塚本の様に確定申告書をいじったのであれば、罪になりますが、他人の給付金申請について許可を得て本人に代わって申請するのは合法だったハズです。
また、振込先は法人名が一致しないと振り込まれませんので、なりすますとしても、お金を得る事が出来ないので、ここからも不自然さが残ります。
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