判決が出ましたが、こちらも突っ込みどころ満載の様な気がしてきました。
控訴まで諦めたくありませんので、控訴期限の22日まで何とか書き綴ってゆこうと思います。
彼女が裁判官の言葉に頷いただけと云うのも印象的でした。
今までの彼女なら、言葉を発しなければならなくなった時は、どんな形でも一生懸命に言葉にしていましたから、たった一言の「はい」が云えないというか云いたくないという事だったのでしょう。
その気持ちは解るような気がします。
論告求刑からの彼女は、少しだけ元に戻ったと云うか「申請に関わったが不正受給とは知らなかった。報酬は一切受け取っていない。」と云っていた頃の雰囲気になった様な気がして良い事だと思っていますが、一度ズタズタにされた心の傷を、またこの判決文で無茶苦茶にされたとしたら、居た堪れなくなってきます。
※そう考えると拘留と云うのはどれほどの苦しみを与えるのか?という事ですね。
もちろん、弁護士がちゃんとフォローしていれば、精神的には頑張れると云う事も聞きますが、彼女の場合はフォロー無しだったので、精神的な苦痛も想像を絶するものだったと思います。
判決では、
「複数の者が役割を分担して行った組織的かつ計画的な犯行で被告は申請行為を担当するなど重要な役割を果たしている」「実刑に処することも十分考慮に値する」
非常に重い言葉が綴られていますので、見方によっては「執行猶予で良かったね」なんて云う雰囲気になりがちですが、自白をして尚この有り様です。
だったら否認して居たら実刑だったのか?と問われると、過去の判例から考えても、その可能性も少なかったと思います。
何れにせよ、量刑は殆ど変わらなかったのではないでしょうか?
求刑は基本的に、起訴した時点で決まっているらしいので、自白しようと否認しようと大きく変わらないらしいのです。
じゃあ何故自白が量刑に有利に働くのか?ですが、基本的には反省の態度や被害者との示談などが有利に働く事になるのでしょう。
否認していれば、今回のような場合は「反省」こそ可能ですが、被害者との示談にあたる「贖罪寄付」などは不可能になります。
彼女の場合は少し特殊で、申請をしたこと自体は認めている訳ですから、初めの頃から口酸っぱく云っている様に、「当時は詐欺とは認識していませんでしたが、現在は間違って手を貸してしまった事を深く反省しています。今後はこの様な甘言に安易に乗らないよう、気を付けて生きてゆきます。」ぐらいの反省は直ぐに出来たと思います。
贖罪寄付については、報酬を貰っていないとすれば、反省したとしても、そのようなことは矛盾してしまいますから出来ません。
だからと云って、反省面が一番重視される様ですから、お金の事ですべてが引っくり返る訳でも無く、基本は過去の判例を踏襲するものと思われます。
だとすると、初犯でこの程度の罪状から実刑を選択される事が考えられるのは、反社に属しているとか、余程態度が悪いとか、反省の色がないとかでない限り、判例から考えても、執行猶予付きの判決ぐらいしか選択の余地はありません。
◆
単体でこのような「実刑に処することも十分考慮に値する」と云う様な言葉を聞くと、何だか救われたと感じてしまうかも知れませんが、他の判例や裁判の仕組みなどと併せて考えると、テンプレート通りにしか判決を出せない人だったのでしょう。
繰り返し書いたのは、なぜこの様な脅しとも受け取れる事を云えるのか?
この記事を見たときに、2年程度の求刑で、この様な事を云うのか?と感じた事からです。
この発言、実は5W1Hが何も出せなかった事への裏返しなのでは無いかとも感じているのです。
人は不利になると攻撃的な側面を見せる事があります。
報酬も判決文には入れる事は出来ない。詐欺の実態も踏み込んでは語れない。語れば無罪になってしまうし、それでは国民や検察の意向に沿う事が出来ない。
判決ですし、裁判官なので、反証を喰らう事は考えられないですが、イレギュラーな展開である事は間違いないでしょう。
そこで、無意識のうちに防御が働いたのでは無いかと感じました。
現実的には余程の事が無い限り、実刑を選択する余地は無いように思われます。
それを敢えて発言するのですから、小娘への脅しか、防御か、テンプレートなのかぐらいしか思い浮かびません。
「執行猶予期間が過ぎても悪い事はしない様にしてください」などと、これも一応説諭って云うのかな?私から見たら、これもテンプレートの一つにしか見えませんが、先の厳しい言葉とのセットでいう事なのでしょう。
以下のページにも書かれていますが、裁判官の3割は検察ベッタリで、1割足らずが被告人と向き合う裁判官であると。
少なくとも、あのような結論に至ったと云う事は、証拠書類の類を一切考慮せず、いや、したとしても検察側の主張のみを採用し、貯蓄部分の整合性には目を瞑ると云う、自白のみに頼った判決だったと云わざろう得ません。
そう考えると、担当された裁判官も3割に属する裁判官に当たってしまったのかも知れません。
その様な方に、心に沁みる説諭など難しいでしょうし、彼女の態度からもそれを伺う事が出来ます。
意識してなのか、自然なのか判りませんが、彼女の論告求刑の時の発言と云い、今回の無言と云い、私はこちらの方が心に沁みました。
◆
済んでしまった事とは云え、やはり、自白せず証拠調べまで持っていった方が良かったのではないかと思う訳です。
証拠調べに3時間と云う長丁場を設定したのは検察側でしょうから、時間を掛けないと有罪へ持ち込むのは困難だったのではないかと感じています。
それを考えると、自白頼りではない結論が出てきたと思うので、少なくとも一方的な展開にはならなかったのでは無いかと思ってしまいます。
もちろん、検察の方々は法律のプロですから、彼女一人で戦う事には限界があるでしょう。
弁護士の勧めで自白したら、検察・裁判官からのサンドバッグ状態で判決を迎えてしまった。そんな感じに見えました。
ただ、そんな事が出来る環境に無かったことも承知していますが、論告求刑の時の彼女の雰囲気であれば、少しは風を変える事も出来たのでは無いかと、要らぬ想像をしてしまったまでです。
◆
「自己顕示欲の強い、人を大切にしない刑事」&「自分の事しか考えない自白原理主義の弁護士」&「検察のほうばかり向いている裁判官」と云うフルセットの不幸にも味わってしまったからには、控訴すると云う事は、どん底からの上昇しか無いと思います。
一昨日は判決を耳にして、現実にこうなるとは予想できたものの、実際に聞かされると何か脱力感に苛まれた一日でした。
コメント